「月給は今より高いけれど、賞与まで含めるとどうなるのか」「平均より低い提示額は、条件が悪いということか」。このページでは、原表の数字と求人の提示条件を別の欄に置き、分からない条件を採用担当者に確認できる形にします。確認シートと質問文は編集部の提案です。
保育士の給料(月例給与)と賞与は、統計でいくら?
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種第1表から、一般労働者・保育士・男女計・産業計・企業規模10人以上の値を取り出しました。
| 項目 | 原表の値 | 円での表示 | この数字の時点 |
|---|---|---|---|
| きまって支給する現金給与額 | 285.7千円 | 28万5,700円 | 2025年6月分 |
| うち所定内給与額 | 279.2千円 | 27万9,200円 | 2025年6月分 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 847.9千円 | 84万7,900円 | 原則2024年1〜12月 |
出典:厚生労働省・e-Stat 職種第1表(Excel)、男女計の保育士行、H40・I40・J40。公開(更新)日:2026年3月24日。取得日:2026年9月27日。対象時期は調査の概要で照合。
平均は、給与の高い人の値に引っ張られます。同じ調査の職種第17表には、保育士の所定内給与額を低い順に並べたときの位置の値があります。
| 低い順に並べたときの位置 | 所定内給与額 | 円での表示 |
|---|---|---|
| 下から10%(第1・十分位数) | 205.8千円 | 20万5,800円 |
| 下から25%(第1・四分位数) | 232.7千円 | 23万2,700円 |
| 真ん中(中位数) | 269.8千円 | 26万9,800円 |
| 下から75%(第3・四分位数) | 314.4千円 | 31万4,400円 |
| 下から90%(第9・十分位数) | 362.2千円 | 36万2,200円 |
| (参考)平均 | 279.2千円 | 27万9,200円 |
出典:厚生労働省・e-Stat 職種第17表(Excel)、男女計・企業規模計(10人以上)の保育士列(AG列)、35〜39行。労働者数(AG8)は第1表の保育士行と同じ29,151(十人)。公開(更新)日:2026年3月24日。取得日:2026年9月28日。
真ん中の値(26万9,800円)は、平均(27万9,200円)より9,400円低くなっています。下から25%と75%の間、つまり真ん中の半分の人は、所定内給与額が23万2,700円から31万4,400円の範囲にいます。どれも残業代などを含まない所定内給与額で、賞与は入っていません。
また、最初の表の平均は、平均年齢40.3歳・平均勤続年数9.1年の人たちの値です(第1表の同じ行のD40・E40)。勤続年数は「その企業に雇い入れられてから」の年数なので、転職した人は新しい勤務先で数え直しになります。年齢や勤続が違う人は、この平均をそのまま自分の目安にしないでください。
「所定内給与額」は、きまって支給する現金給与額から超過労働給与額を除いた額です。基本給だけの金額ではありません。また、「一般労働者」は短時間労働者に該当しない区分で、「正社員だけ」という意味ではありません。厚生労働省の用語定義もあわせて確認してください。
保育士の給料の「初任給」は、統計ではどの数字?
保育士の新卒の初任給だけを示す国の統計は、今回の調査では見つかりませんでした。令和7年の「新規学卒者」の表は、産業と学歴の区分で、職種(保育士)の区分がありません。近い数字として、職種の表に「経験年数」別の値があります。
| 数字 | 何を数えたか | 所定内給与額 | 原表のセル |
|---|---|---|---|
| 経験年数0年 | 保育士として働いた年数が0年の人(全年齢) | 240.6千円(24万600円) | 第14表 G39(労働者数1,608十人) |
| 20〜24歳で経験年数0年 | 上のうち20〜24歳の人 | 234.6千円(23万4,600円) | 第10表 G389(1,134十人) |
| 経験年数1〜4年 | — | 251.4千円(25万1,400円) | 第14表 J39 |
出典:厚生労働省・e-Stat 令和7年賃金構造基本統計調査 職種第14表・第10表(男女計・企業規模計)。公開(更新)日:2026年3月24日。取得日:2026年9月28日。
- 「経験年数」は、今の勤め先だけでなく、同じ職種で働いた年数をすべて通算した年数です(調査の用語の解説)。転職した保育士は、経験年数が0年に戻りません。上の「勤続年数」とは違う点に注意してください。
- 経験年数0年は、新卒の人に限りません。所定内給与額なので、残業代や賞与は入っていません。
- 経験年数0年の人の年間賞与の値は、前の年の途中から働いた人の額を含むため、この記事では年収の計算に使いません。
- 求人票の「初任給」は、その園の給与規程の額です。統計の数字と比べるときは、基本給だけか、手当を含むかを確かめてください。
保育士の給料をパートの時給で見るといくら?
パートなど短時間で働く保育士の値は、同じ調査の「短時間労働者」の表にあります。
| 項目 | 値(男女計・企業規模計) |
|---|---|
| 1時間当たり所定内給与額 | 1,419円 |
| 1日当たり所定内実労働時間数 | 5.7時間 |
| 実労働日数(1か月) | 15.6日 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 132.5千円 |
| 平均年齢・平均勤続年数 | 48.8歳・7.5年 |
出典:厚生労働省・e-Stat 令和7年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 職種第1表、保育士行(40行)D40〜I40(労働者数 J40=13,246十人)。公開(更新)日:2026年3月24日。取得日:2026年9月28日。
- 「短時間労働者」は、同じ事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短いか、1週の所定労働日数が少ない人です。パートという呼び名とは一致しないことがあります。
- 時給は所定内の給与で、残業代や賞与は含みませんが、通勤手当などを含む統計値です。求人に書かれた時給と、含む手当の範囲をそろえて比べてください。
- 求人の時給と比べるときは、処遇改善の手当が時給に含まれているか、別に払われるかを確かめてください。
保育士の給料を年収に換算するといくら?賞与は同じ年の値?
上の月例給与を年間に延ばし、賞与等を加えると、編集部の計算は次のとおりです。
28万5,700円 × 12 + 84万7,900円 = 427万6,300円(約428万円)
これは統計の月例給与と賞与等から作った年収換算額です。月例給与は2025年6月、賞与等は原則2024年のため、同じ年に実際に受け取った年間収入の平均とは一致しません。2026年の給与実績でもありません。
この年収換算額は平均から作った値で、中央値ではありません(所定内給与額の中位数は、上の分布の表にあります)。税などを差し引いた手取りや、これから転職する人への提示額でもありません。平均額だけを入職後の収入予定として家計に組み込むことは避け、次のシートに本人向けの提示条件を記入してください。
保育士の給料の手取りは、何を引いて計算する?
手取りは、額面の給料から社会保険料と税金を引いた額です。「額面の○%」と一律には言えません。引かれる額が、加入する医療保険・加入支部・年齢・扶養する家族・前の年の所得で変わるからです。
| 引かれるもの | 計算のしかた | 確かめるところ |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 標準報酬月額×保険料率÷2(本人負担) | 協会けんぽの料率は都道府県ごとに違う。健康保険組合・共済組合は別の料率 |
| 子ども・子育て支援金 | 標準報酬月額×支援金率÷2 | 健康保険料と合わせて徴収。いつから・いくらの率かは加入する医療保険の案内で確かめる |
| 介護保険料(対象の年齢の人) | 標準報酬月額×介護保険料率÷2 | 介護保険料を納める年齢に当たるかを、加入する医療保険の案内で確かめる |
| 厚生年金保険料 | 標準報酬月額×18.3%÷2 | 日本年金機構の保険料額表 |
| 雇用保険料 | 賃金×労働者負担の料率 | その年度の雇用保険料率(厚生労働省) |
| 所得税 | 社会保険料を引いた額を、源泉徴収税額表の月額表で読む | 扶養の人数で変わる。表は年ごとに変わる |
| 住民税 | 前の年の所得で決まる | 働き始めた年とその後で違う。税率は自治体が決める |
出典:日本年金機構「厚生年金保険の保険料」(2024年8月9日更新)、全国健康保険協会「令和8年度都道府県単位保険料率」「子ども・子育て支援金率」「介護保険料率」、厚生労働省「令和8年度雇用保険料率のご案内」、国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」、総務省「個人住民税」。取得日:2026年9月28日。
- 標準報酬月額は、給料の額をいくつかの等級に丸めた額で、通勤手当も含みます。原則として4〜6月の報酬で決まります。
- 共済組合など協会けんぽ以外に加入する場合は、その保険者の料率を確認してください。園の公立・私立だけで決めず、資格情報のお知らせ等で加入先を確かめます。
- 自分の手取りは、給与明細の控除の欄で確かめるのが確実です。次の園の手取りを見積もるときは、上の表の順に、加入する医療保険・加入支部と年齢に応じた料率を確認してください。協会けんぽの加入支部は、住んでいる都道府県と異なる場合があります。
加入支部の確認方法:全国健康保険協会「令和8年度保険料率のお知らせ」「加入支部とは」。取得日:2026年9月28日。
保育士の給料は、求人ごとに何をそろえて比べる?
求人票や面談で回答が得られた項目だけを埋めます。「支給なし」と確認できた場合と、まだ確認できていない場合を区別してください。未確認の賞与や手当を、ゼロとして合計しない使い方を想定しています。
表は横にスクロールできます。CSVは表計算ソフトで記入できます。
| 照合する項目 | 統計を読むときの注意 | 求人Aの提示・回答 | 求人Bの提示・回答 | 未確認なら聞くこと |
|---|---|---|---|---|
| 対象期間 | 給与は2025年6月、賞与等は原則2024年 | 対象期間:__ | 対象期間:__ | 初年度と通常年度のどちらか |
| 基本給 | 所定内給与額を基本給と置き換えない | 月額:__ | 月額:__ | 提示月給のうち基本給はいくらか |
| 毎月の手当 | 自分が支給対象かは統計では分からない | 名称・額・条件:__ | 名称・額・条件:__ | 資格・役職・勤務時間による条件はあるか |
| 残業等の扱い | 現金給与額と所定内給与額を混同しない | 含む/別途/未確認:__ | 含む/別途/未確認:__ | 表示月給に含む額と、別途支給の条件は何か |
| 賞与等 | 前年の集計額は自分への約束ではない | 算定基礎・支給条件:__ | 算定基礎・支給条件:__ | 求人の表示は過去実績か、本人の提示条件か |
| 入職初年度 | 年収換算式だけでは求められない | 入職日・初回賞与:__ | 入職日・初回賞与:__ | 在籍期間による扱い、初回支給日はどうなるか |
| 住居等の支援 | 現金給与と別の支援は別欄で扱う | 対象・自己負担:__ | 対象・自己負担:__ | 本人が対象か、利用の期限や負担はあるか |
| 回答の根拠 | 統計の出典と個別の提示書類は別 | 書類名・回答者・日付:__ | 書類名・回答者・日付:__ | 求人票と回答が違う場合、どちらが今回の条件か |
記入後は「確認済み」「未確認」「対象外」の状態も添えてください。空欄のまま判断しづらければ、次の文を採用担当者や紹介担当者に渡す方法があります。
提示月給の基本給・手当・残業等の内訳と、私が入職した場合の賞与の算定基礎・支給条件を確認したいです。求人票の記載が過去の支給実績の場合は、今回の提示条件と分けて教えてください。
この質問文は編集部が作成したものです。回答によって希望条件を満たすか判断し、未回答の項目が残る場合は、その点を追加で確かめましょう。
園に直接聞きにくい項目は、転職エージェントの担当者を通じて確かめる方法もあります。聞きにくい質問の代理確認などを公式に案内しているサービスは、転職エージェントの比較の早見表で確認できます。
残業の時間そのものを記録して比べたい場合は、保育士の残業の記事で、統計の「月3時間」の読み方と記録表をまとめています。
保育士の給料は、年齢・経験・地域・公立と私立でどう比べる?
全国・男女計の値は、年齢や経験、地域などを合わせた個別条件の値ではありません。この記事の表から「自分の年齢ならこの給料」「公立なら必ず高い」とは判断できません。
| 知りたいこと | 求人側で確認する項目 |
|---|---|
| 経験が給与に反映されるか | これまでの勤務先・業務・勤務期間を、今回の提示額でどう扱ったか |
| 役職によって何が変わるか | 担当業務、役職手当、役職を外れた場合の扱い |
| 地域を変えると生活が成り立つか | 勤務地、通勤、住居支援の本人適用、自己負担 |
| 公立・私立のどちらを選ぶか | 今回募集されている雇用形態、勤務時間、給与条件 |
| パート等と比べたい | 時給だけでなく予定勤務時間・勤務日、手当・賞与の対象条件 |
この表も編集部の確認提案です。
同じ原表には、企業規模別の値もあります。企業規模は、勤める法人全体の常用労働者数の規模で、園の定員や職員数ではありません。
| 企業規模(法人全体の常用労働者数) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | きまって支給する現金給与額 | うち所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10人以上(計) | 40.3歳 | 9.1年 | 285.7千円 | 279.2千円 | 847.9千円 |
| 1,000人以上 | 39.7歳 | 7.8年 | 302.6千円 | 290.6千円 | 793.3千円 |
| 100〜999人 | 38.6歳 | 7.7年 | 286.6千円 | 280.5千円 | 769.2千円 |
| 10〜99人 | 41.5歳 | 10.4年 | 281.1千円 | 275.7千円 | 912.1千円 |
出典:上と同じ職種第1表の保育士行(40行)。1,000人以上はL40〜R40、100〜999人はT40〜Z40、10〜99人はAB40〜AH40。企業規模の定義は厚生労働省の用語定義による。
この表では、月例給与は1,000人以上の法人がいちばん高く、賞与等は10〜99人の法人がいちばん高くなっています。ただし、規模ごとに平均年齢と平均勤続年数が違うので、この差を「法人の規模だけによる差」とは読めません。求人を比べるときは、規模の平均ではなく、その求人で提示された基本給・手当・賞与の条件を確かめてください。
公立と私立の差を示す公的な資料には、こども家庭庁の「経営実態調査」があります。ただし、この調査の「給与月額」は、上の賃金構造基本統計調査の月給とは数え方が違います。
| 比べる点 | 賃金構造基本統計調査(上の表) | 経営実態調査(こども家庭庁) |
|---|---|---|
| 保育士の月額 | きまって支給する現金給与額 285.7千円(賞与は別に年847.9千円) | 1人当たり給与月額(賞与込み)私立保育所 341,468円/公立保育所 363,315円 |
| 賞与の扱い | 月額に含めない | 前年度の賞与の12分の1を月額に含める |
| 対象 | 一般労働者(短時間労働者を除く) | 常勤(園の所定労働時間のすべてを勤務する人) |
| 時点 | 2025年6月分(賞与は原則2024年) | 2024年3月分(賞与は2023年度分) |
| 平均勤続年数 | 9.1年(その企業での年数) | 私立11.4年/公立10.6年 |
出典:こども家庭庁「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果」p11「①保育所(私立・公立)(2)職種別職員1人当たり給与月額」の保育士・常勤の行と表の注記。集計結果に公表日の記載がないため、公開日はe-Statの統計表一覧の令和6年度分の公開(更新)日(2025年6月11日)で記録。取得日:2026年9月28日。
経営実態調査の月額が高く見える大きな理由の一つは、賞与を月額に含めているかどうかです。参考として、上の賃金構造基本統計調査の値で賞与を12で割って月給に足すと、285.7千円+847.9千円÷12で約356.4千円になります(編集部の計算)。ただし時点も対象も違うので、2つの調査の値をそのまま並べて比べることはできません。求人の月給と比べるときは、その月給に賞与が含まれているかを先に確かめてください。
年齢別・地域別の数値表は、今回は載せていません。条件が異なる資料から数字だけを持ち寄って、上下関係を作ることはしません。
保育士の給料は、国の積算でどう決まっている?「安い」と言われる背景
私立の保育所の運営費(委託費・公定価格)は、人件費・事業費・管理費を積み上げて国が決めています。こども家庭庁の資料では、常勤の保育士等の人件費は国家公務員の給与に準じて算定し、人事院勧告に合わせて改定するとされています。一方で、一人一人の職員の給与は、園や法人の給与規程で決まります。
| 項目 | 令和8年度の値 |
|---|---|
| 保育士の格付・本俸基準額 | (福)1-29、254,694円(ほかに特殊業務手当7,800円) |
| 保育士の人件費(年額)の全国平均 | 491万円 |
| 地域区分による幅 | 458万円(その他地域)〜548万円(20/100地域) |
| 含むもの | 賞与、地域手当など |
| 含まないもの | 処遇改善等加算(区分1〜3) |
出典:こども家庭庁「令和8年度における私立保育所の運営に要する費用について」(令和8年7月31日)p2と表の注。取得日:2026年9月28日。
この額は、国が委託費を計算するときの予算上の積算で、保育士が受け取る給与の額ではありません。同じ通知は、次のように注意しています。
- 職員の人数や経験年数、賃金の体系は保育所ごとに違い、この人件費と実際の人件費の差だけで、給与水準が適切かを判断することはできない。
- この1人当たりの人件費を理由に、給与水準を下げることは不適切である。
実際の給与の統計は、この記事の最初の表(所定内給与額27万9,200円、賞与84万7,900円)と、上の「2つの調査の違い」の表にあります。処遇改善等加算は積算の外で別に加算されるものなので、自分の給与にどう反映されているかは処遇改善の照合表で確かめてください。
保育士の給料に含まれる手当は、どこから出ている?
保育士の給料に含まれる手当や、給料とは別の補助は、出どころによって確かめる相手が違います。次の表は、確かめる書類と相手を分けた編集部の整理です。
| 手当・補助の種類 | 出どころ | 本人の申請 | 確かめる書類・相手 |
|---|---|---|---|
| 園の手当(資格・役職・住宅・通勤など) | 園(法人)の就業規則・賃金規程 | 園の規程による | 労働条件通知書の賃金の欄、就業規則 |
| 処遇改善等加算による賃金改善 | 国の加算を施設が受け、賃金の改善に充てる | なし | どの給与項目に反映されるか(処遇改善の照合表) |
| 自治体独自の給与の上乗せ | 自治体から法人への補助(実施は自治体による) | なし | 支給の有無と額を園に確かめる |
| 宿舎借り上げ支援事業 | 市区町村から事業者への補助(実施は市区町村・園による) | 園の手続きによる | 園が使っているか、自分が対象か |
宿舎借り上げ支援事業は、転職の判断に関わる条件があります。こども家庭庁の令和8年度予算資料では、次のように示されています。
- 原則の対象者は、保育士として採用された日から起算して5年以内の常勤の保育士です。ただし、令和6年度以前から事業の対象で、令和8年度も継続して対象となる人には、事業を利用した年度の対象期間が適用されます。
- 本事業を利用して退職した場合は、その後は対象にならない(一人1回限り)とされています。やむを得ない事情による退職と認められる場合に限り、再び対象にできます。その場合の対象期間は、5年から「前の園で採用されてから、この事業を利用して退職するまで」の期間を除いた残りです。
- 補助基準額は、月額75,000円を上限として、市区町村別に一人当たりの月額(上限)が設定されます。実施主体は市区町村です。
出典:こども家庭庁「令和8年度保育関係予算の概要・参考資料」p11(2026年6月15日掲載)。取得日:2026年9月27日。
※75,000円は補助基準額(園が借り上げる費用に対する補助の計算のもとになる額)の上限です。国の資料では、原則として国が2分の1、市区町村と事業者が4分の1ずつを負担するとされています。本人が受け取る額ではありません。今の園で宿舎借り上げを使っている人が転職する場合は、次の園でも対象になるかを、応募前に確かめてください。
保育士の給料を上げたいとき、相談前に何を整理する?
まず、今の給与明細と候補求人について、上のシートの同じ欄を埋めます。希望月給だけでなく、勤務時間や役割、支給対象になる手当、賞与条件までそろえるためです。
現在の職場で経験や担当業務の扱いを確認したいなら、園の担当者への質問をまとめます。転職先の提示条件を確かめたいなら、採用担当者へ聞くか、紹介担当者を通じて確認する方法を検討してください。転職や相談によって収入が上がることを、この統計が保証するわけではありません。
相談先も探している場合は、保育士の転職エージェントの選び方で地域・資格・働き方と必要な支援を照合できます。年収の数字だけでサービスを選ばず、今回確認したい条件を伝えられるかを基準にしてください。
保育士の給料でよくある質問
処遇改善分の対象条件が分からない場合は、処遇改善の支給条件を確かめる表で、制度と職場の説明を分けて確認できます。
保育士の平均年収はいくらですか?
この記事で使う厚生労働省の2025年調査・一般労働者・男女計・企業規模10人以上の保育士の値からは、427万6,300円と換算できます。ただし、2025年6月の給与と原則2024年の賞与等を組み合わせた編集部の計算で、同じ年の年間実収入ではありません。
保育士のボーナス(賞与)は、平均でいくらですか?
厚生労働省の2025年賃金構造基本統計調査では、一般労働者・男女計・企業規模10人以上の保育士の「年間賞与その他特別給与額」は84万7,900円です。原則2024年1〜12月の1年間の額で、賞与だけでなく期末手当なども含む区分です。求人ごとの支給条件(算定の基礎、支給月数、入職1年目の扱い)は、応募先に確かめてください。
平均月給から手取りを計算できますか?
この統計の給与は税などの控除前です。手取りは、加入する医療保険・加入支部・年齢・扶養する家族・前の年の所得で引かれる額が変わるため、一定の割合では計算できません。引かれるものと計算のしかたは、この記事の「手取りは、何を引いて計算する?」の表にまとめています。
保育士の初任給は、統計でいくらですか?
新卒の保育士の初任給だけを示す国の統計は見つかりませんでした。近い数字として、令和7年賃金構造基本統計調査の職種第14表では、経験年数0年の保育士の所定内給与額が240.6千円です。新卒の人に限らない値で、残業代や賞与は入っていません。
平均より低い求人は避けるべきですか?
全国の平均だけでは判断できません。勤務時間、経験の扱い、基本給と手当の内訳、賞与の支給条件をそろえ、自分の希望条件と照合してください。
更新履歴
2026年9月27日:賃金構造基本統計調査の保育士行を原表で照合し、給与と賞与の時点差、求人提示条件との記入式照合票を掲載。 同日:「保育士 ボーナス」の検索意図を本記事で受けるため、ボーナス(年間賞与その他特別給与額)のFAQを追加。 同日:「保育士 手当」の検索意図を本記事で受けるため、手当・補助の出どころの表と、宿舎借り上げ支援事業の条件(令和8年度予算資料)を追加。 2026年9月28日:同じ原表の平均年齢・平均勤続年数と企業規模別の値、職種第17表の所定内給与額の分布(中位数・四分位数・十分位数)と、こども家庭庁の経営実態調査との数え方の違い(公立・私立の値を含む)を追加。宿舎借り上げの補助基準額の説明を資料どおりに直し(国・市区町村・事業者の負担割合)、やむを得ない退職の場合の対象期間を追記。 同日:「保育士 初任給」「保育士 手取り」「保育士 給料 安い」の検索意図を受けるため、経験年数別の値(第14表・第10表)、手取りの計算に使うものの表、国の積算(令和8年度の私立保育所の運営費の通知)の節を追加。 同日週次確認:健康保険の加入支部と居住地の違い、公立・私立だけで加入先を決めないこと、宿舎支援の継続対象者の例外を補足。 同日:「保育士 時給」を受けるため、短時間労働者の職種第1表の値の節を追加。 2026年9月29日:冒頭の答えに、統計の月例給与・賞与・年収換算額と、その出どころと時点を入れた。 2026年9月29日:題名を「問いと答え」の形にし、冒頭の答えを短くした(前の答えと根拠は「根拠と補足」に移した)。 2026年9月30日:監査の指摘に対応(指摘 SAL-01・SAL-02 を修正。公表日を確認できない資料に基づく数字 3件を外すか、公表日のある資料に付け替え)。修正箇所の一次資料を照合。出典ごとの取得日は変えていない。
