「何から始めて、いつ園に伝えればいいか」「辞めるときに何をもらえばいいか」。このページは、転職の工程の全体をまとめ、各工程の詳しい記事へ案内します。上位の検索結果は求人一覧がほとんどで、手続きの順番をまとめたページは見当たりませんでした。
まだ辞めるかどうか迷っている場合は、先に保育士を辞めたいときの整理を読んでください。
保育士の転職は、入職日から逆算して何をいつする?
固定の「○か月前」ではなく、自分の入職日・契約・有給休暇の日数から計算します。
| 項目番号 | 工程 | いつまでに | 根拠・決まり | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 入職日を決める | 次の園と合意した日(D) | — | — |
| 2 | 退職日を決める | D−1日で、次の園で健康保険・厚生年金に加入する場合は空白なし。加入しない期間がある場合は下の健康保険と年金へ | — | — |
| 3 | 最終出勤日を決める | 退職日−使う有給休暇の勤務日数 | 退職日で年休の権利は消える(厚生労働省の案内) | 有給休暇 |
| 4 | 退職を申し出る | 退職日−予告期間 | 予告期間は契約と就業規則で決まる | 退職の申し出 |
| 5 | 次の園の労働条件通知書を受け取る | 申し出の前に受け取るのが安全(編集部の判断) | 主な労働条件は書面で明示する(労働基準法第15条) | 転職の失敗例 |
| 6 | 見学・面接・内定 | 日数の決まりはない | 募集の条件は最初に接触する時点までに示すのが原則 | 面接・履歴書 |
| 7 | 条件の整理・相談先・応募先を探す | — | — | 転職エージェントの比較 |
| 8 | 退職後に書類を受け取る | 源泉徴収票は退職日以後1か月以内 | 所得税法第226条ほか | 書類 |
| 9 | 入職時に書類を出す | 入職日 | — | 書類 |
表の番号は、入職日から日程を逆算するための項目番号で、実行する順ではありません。在職中に次の園を探す場合、実際に進める順は次のとおりです(編集部の提案)。
- 条件を整理し、応募先を探す(表の7)
- 見学・面接・内定(表の6)
- 次の園の労働条件を書面で確かめる(表の5)。内定の連絡と通知書を受け取る日は同じとは限りません
- 今の契約・就業規則の退職の定めを確かめ、次の園と入職日を合意する。あわせて退職日・最終出勤日を決める(表の1〜3)
- 今の園に退職を申し出て、日程と引継ぎを調整する(表の4)
- 退職・入職と書類のやり取り(表の8・9。書類の発行時期によって前後します)
申し出の前に書面で条件を確かめておくと、条件が違ったときに引き返せます。
4月入職の例:3月31日に退職し、4月1日から次の園で健康保険・厚生年金の被保険者になれば、両制度の加入に空白はありません。入職日が翌日でも、次の職場での加入要件を満たすかは別に確認します。日本年金機構は、3月末に退職して4月16日に入社する例を挙げ、この場合は4月1日から国民年金第1号の手続きが必要だとしています。4月入職を目指すなら、退職日と入職日を1日もあけないかどうかも、次の園と相談してください。年度の途中で辞める場合は、年度途中の退職で就業規則の確かめ方をまとめています。
保育士の転職で、退職を申し出る前に確かめること
退職の申し出の期限は、契約の種類で変わります。全員が2週間で辞められるわけではありません。
| 契約の種類 | 法律の決まり | 確かめること |
|---|---|---|
| 期間の定めのない雇用(正職員など) | 申し入れから2週間で終わる(民法第627条第1項) | 就業規則の「退職する□日以上前に届け出る」の定め |
| 期間の定めのある契約 | 原則として、やむを得ない事由がなければ途中で辞められない(民法第628条)。1年を超える契約は、1年たった後はいつでも退職できる(労働基準法第137条。例外あり) | 契約期間の終わりの日と、合意して辞められるか |
| 公立の園の公務員(会計年度任用職員を含む) | 雇用契約とは別の制度 | 辞職の手続きを人事担当に確かめる |
出典:民法第627条・第628条、厚生労働省「確かめよう労働条件(退職、解雇、雇止めなど)」。取得日:2026年9月28日。
- 厚生労働省は、期間の定めのない雇用でも、就業規則等で退職の手続きがどうなっているかを確かめるよう案内しています。
- 退職の申し入れは、園が承諾しなければ2週間後に効力が生じ、承諾された後は一方的に撤回できないとされています。
- 常時10人以上を雇う園は、退職に関する事項を就業規則に定めることになっています(労働基準法第89条)。
次の園の労働条件通知書で確かめる項目は、転職の失敗例の照合表にまとめています。2024年4月からは、就業場所・業務の「変更の範囲」なども明示する項目に加わりました(労働基準法施行規則第5条、令和5年厚生労働省令第39号の附則)。
保育士の転職で、有給休暇は退職日までに使える?
厚生労働省の案内では、年次有給休暇の権利は退職日をもって消えるため、退職前に残りの年休を申請された場合、使用者は時季変更権を行使できないとされています。退職日を遅らせてほしいという打診に応じるかどうかは、本人が決めることです。
使える日数は、付与された日数から使った日数を引いた残りです。給与明細や園の管理表で残りの日数を確かめてから、最終出勤日を決めてください。有給休暇の基本は保育士の休みの記事にまとめています。
保育士の転職で、今の園からもらう書類・次の園に出す書類
| 書類 | いつ・だれから | 決まり・注意 |
|---|---|---|
| 源泉徴収票 | 退職日以後1か月以内に今の園から | 同じ年に次の園に入ったら、次の園に出して年末調整を受ける(国税庁 No.2674) |
| 離職票 | 退職後に届く(受け取りに行く場合もある) | 離職日に59歳未満の人は、希望しないと出ないことがある。後から求めることもできる(雇用保険法施行規則第7条・第16条) |
| 雇用保険被保険者証 | 在職中に手元にあるかを確かめる | ハローワークは、在職中に有無を確かめるよう案内している |
| 退職証明書 | 請求したときに今の園から | 使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由の証明を請求できる(労働基準法第22条)。請求しない事項は書かれない |
| 経験年数の確認書類 | 今の園から(職歴証明書など) | 処遇改善等加算の経験年数は、職歴証明書のほか雇用保険の加入履歴・年金の加入記録でも確認できるとされている |
| 基礎年金番号が分かるもの | 次の園へ | 令和4年4月以降に初めて加入した人は、基礎年金番号通知書 |
| 雇い入れ時の健康診断の結果 | 次の園へ(求められた場合) | 3か月以内に受けた健康診断の結果を出せば、相当する項目は省略できる(労働安全衛生規則第43条) |
| 保育士証 | 次の園へ(写しなど) | 氏名や本籍地の都道府県が変わった人は書換え交付。住所だけの変更は手続き不要 |
出典:所得税法第226条、国税庁 タックスアンサー No.2674、雇用保険法施行規則第7条・第10条・第16条、ハローワークインターネットサービス、労働基準法第22条、こども家庭庁「処遇改善等加算について」第4の2、日本年金機構、労働安全衛生規則第43条、保育士の登録事務処理センター。取得日:2026年9月28日。
協会けんぽに入っていた場合は、交付されていれば資格確認書などを園に返します(日本年金機構の資格喪失の手続きの案内)。年度の途中で辞める場合の書類の詳しい流れは、年度途中の退職の記事にあります。
保育士の転職で、退職日と入職日の間が空くときの健康保険と年金
健康保険の資格は、退職日の翌日に失います(健康保険法第36条)。次の園に入るまでに1日でも空くと、その間の手続きが必要になることがあります。
| 状況 | 健康保険 | 年金 |
|---|---|---|
| 退職日の翌日から次の職場の健康保険・厚生年金に加入 | 通常、国民健康保険への切替えは不要。次の職場で資格取得手続き | 通常、国民年金第1号への切替えは不要。次の職場で資格取得手続き |
| 次の職場の被用者保険に加入しない期間があり、家族の扶養に入らない | 任意継続(退職日の翌日から20日以内。健康保険法第36条・第37条)か、国民健康保険(14日以内に市区町村へ。国民健康保険法施行規則第3条) | 国民年金第1号(原則20歳以上60歳未満。退職日の翌日から14日以内に市区町村へ。日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」) |
| 次の職場の被用者保険に加入しない期間があり、配偶者の扶養に入る | 配偶者の勤め先の健康保険へ | 国民年金第3号(原則20歳以上60歳未満などの要件を確認し、配偶者の勤め先を通じて) |
出典:健康保険法第3条・第36条〜第38条、全国健康保険協会「任意継続」、国民健康保険法施行規則第3条、日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」「国民年金に加入するための手続き」。取得日:2026年9月28日。
- 任意継続は、退職日の前日まで続けて2か月以上加入していた人が使えます(健康保険法第3条第4項)。協会けんぽは、期限の最終日が土日祝日なら翌営業日、郵送は期限内に届くことが必要と案内しています。保険料は、在職中に園が負担していた分も自分で負担することになります(上限あり)。
- 任意継続と国民健康保険のどちらの負担が軽いかは、人によって違います。この記事では比べていません。
- 公立の園の共済組合、健康保険組合の場合の扱いは確かめていません。加入していた保険者に確かめてください。
保育士の転職について、この記事では分からないこと
- 自分の園の就業規則で、退職の何日前に届け出る決まりになっているか。
- 住民税の切り替えの手続き(一次資料を確かめていません)。
- 雇用保険の基本手当の給付制限の月数。
- 退職日を遅らせる交渉や、有給休暇の買い上げの扱い。
- 公立の園の公務員の辞職の手続きと、共済組合の扱い。
保育士の転職でよくある質問
保育士の転職で、退職は何か月前に伝えればいいですか?
法律で一律に決まった月数はありません。期間の定めのない雇用なら、民法では申し入れから2週間で終わるとされていますが、厚生労働省は就業規則の退職の手続きも確かめるよう案内しています。期間の定めのある契約は、原則として、やむを得ない事由がなければ途中で辞められません。自分の契約と就業規則で確かめてください。
保育士の転職で、残っている有給休暇は退職日までに使えますか?
厚生労働省の案内では、年次有給休暇の権利は退職日で消えるため、退職前に残りの年休を申請された場合、使用者は時季変更権を行使できないとされています。使う日数を先に決めて、最終出勤日を逆算してください。
3月末に退職して4月1日に入職する場合、健康保険や年金の手続きは要りますか?
退職日の翌日に次の職場で健康保険・厚生年金に入るなら、自分で切り替える期間はありません。日本年金機構は、3月末に退職して4月16日に入社する場合は、4月1日から国民年金第1号の手続きが必要になる例を示しています。
保育士の転職で、年金手帳は次の園に出しますか?
令和4年4月以降に初めて年金に加入した人には、年金手帳ではなく基礎年金番号通知書が送られています。次の園には、基礎年金番号が分かるものを示せば足りるかを確かめてください。すでに年金手帳を持っている人は、引き続き保管するよう案内されています。
転職して住所が変わったら、保育士証の書換えは必要ですか?
保育士の登録事務処理センターは、現住所だけが変わった場合の手続きは必要ないと案内しています。氏名や本籍地の都道府県が変わった場合は、書換え交付の手続きが必要です。
更新履歴
2026年9月28日:民法第627条・第628条、労働基準法第15条・第22条、所得税法第226条、健康保険法、国民健康保険法施行規則、雇用保険法施行規則、労働安全衛生規則、厚生労働省・日本年金機構・協会けんぽ・国税庁の案内を確認して新規作成。入職日から逆算する工程表(CSV)を掲載。「保育士 転職 時期」の検索意図を、4月入職の例で本記事に統合。 2026年9月29日:題名を「問いと答え」の形にし、冒頭の答えを短くした(前の答えと根拠は「根拠と補足」に移した)。 2026年9月30日:監査の指摘に対応(指摘 LAW-10・LAW-11 を修正。公表日を確認できない資料に基づく数字 3件を外すか、公表日のある資料に付け替え)。修正箇所の一次資料を照合。出典ごとの取得日は変えていない。
