「保育士の志望動機」と検索すると、たくさんの例文が見つかります。ただ、例文には応募先の園のことも、あなたの経験も入っていません。このページでは、応募先の情報を公表されているところから集め、自分の経験と対にして書く手順をまとめます。材料表と骨組みは編集部の提案で、完成した例文は載せていません。
保育士の志望動機は、何を書く?応募先・経験・意欲の3つ
保育士の志望動機は、ハローワークの「応募書類の作り方」が示す3つの要素で組み立てられます。
- 応募先を選択した理由(なぜその園・法人を選んだか)
- 自分の経験・能力のアピール(自分のどんなところを仕事に活かせるか)
- 意欲(どんな仕事をして役立ちたいか)
パンフレットは、志望の動機を書く前に、求人票の内容やホームページなどで応募先のことをよく知ることを勧めています。また、「学びたい」「充実感を得たい」など個人的で一方的な希望や事情だけでは、アピールにはなりにくいと注意しています。志望の動機やアピールポイントは、面接で採用担当者から最もよく質問される項目だともしています。
出典:ハローワーク「応募書類の作り方」(令和8年5月発行)p10。取得日:2026年9月27日。
保育士の志望動機の材料は、どこで集める?応募先の公表情報
保育士の志望動機の「応募先を選んだ理由」の材料は、応募先が公表している情報から集められます。保育所などには、保育の内容を説明したり、情報を公表したりする決まりがあるためです。
| 表1 情報のありか | 見る項目 | 根拠 | 注意 |
|---|---|---|---|
| ここdeサーチの施設の詳細情報 | 教育・保育の内容、提供内容の特色、運営の方法、職員の経験年数、第三者評価などの状況 | 子ども・子育て支援法第58条(教育・保育情報の報告と公表) | 事業者が報告した内容。時点がずれていることや、空欄のこともある |
| 園の掲示・ウェブの「運営規程の概要」 | 運営の方針、教育・保育の内容、職員の職種と人数 | 運営基準第23条(見やすい場所への掲示と、電気通信回線での公衆の閲覧) | 認可外の施設は対象外。どこに載っているかは園によって違う |
| 園が説明している保育の内容 | 保育方針、一日の過ごし方、年間行事の予定 | 保育所保育指針 第1章1(5)イ(保育の内容を説明する努力義務)、同解説 | 説明の形(パンフレット・ウェブ・見学)は園による |
| 全体的な計画 | 保育の方針・目標にもとづく計画 | 保育所保育指針 第1章3(1)(すべての保育所が作成) | 公開の義務は確認できない。見学のときに見せてもらえるか聞く |
| 自己評価の結果 | 保育の内容の振り返り | 保育所保育指針 第1章3(4)イ(ア)(公表の努力義務) | 公表していない園もありうる |
| 求人票 | 仕事の内容、担当するクラスや役割 | — | 「どんな仕事で役立ちたいか」の材料にする |
| 見学で見たこと | 日付と、見た場面 | — | 見ていないことは書かない |
出典:子ども・子育て支援法第58条、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準第23条、こども家庭庁掲載「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章、同「保育所保育指針解説」(平成30年2月)、独立行政法人福祉医療機構「ここdeサーチ」。取得日:2026年9月27日。
※ここdeサーチで見られる労働時間や職員配置、モデル給与などの条件の項目は、保育士の転職の失敗を防ぐ照合表で扱っています。この記事では、保育の中身に関わる項目だけを志望動機の材料にします。
保育士の志望動機の材料を、自分の経験と対にする
保育士の志望動機では、表1で集めた事実を1つ選び、それに対応する自分の経験を並べます。自分の経験として使える材料は、立場によって変わります。
保育士の志望動機の材料を経験と対にする表を保存する(CSV)
| 表2 列 | 書くこと | 経験者 | 新卒 | ブランクがある人 |
|---|---|---|---|---|
| 応募先の事実 | 表1から1つ。出典と確認日 | 記入欄 | 記入欄 | 記入欄 |
| 自分の経験 | その事実に関係する経験 | 担当した年齢・行事・役割 | 実習や養成校で学んだこと | 離れていた間にしたこと、受けた研修 |
| 活かせる場面 | 求人票の仕事のどこで活かせるか | 記入欄 | 記入欄 | 記入欄 |
| 面接で確かめること | まだ分からないこと | 記入欄 | 記入欄 | 記入欄 |
この表は編集部が作った整理用の例です。1つの事実と1つの経験が結びつけば、志望動機の芯になります。事実が見つからない項目は、書く代わりに「面接で確かめること」の列に移します。面接での聞き方は、保育士の面接の記事にまとめています。
保育士の志望動機を文章にする手順(空欄つきの骨組み)
保育士の志望動機は、表2の1行を、次の骨組みに入れると文章にできます。ハローワークのパンフレットも、記載例を骨組みの形で示しています。
貴園の___(表1で確かめた事実。例:運営の方針のどの部分か)に___(共感した・関心を持った理由)。私は___(表2の自分の経験)をしてきました。貴園では___(求人票の仕事の内容)で、その経験を活かしたいと考えています。
この骨組みは編集部が作ったものです。空欄に入れる言葉は、あなたが確かめた事実と経験だけにしてください。自己PR(アピールポイント)は、2つ目の文の経験を、場面と行動が分かるように具体的にすると書けます。厚生労働省の履歴書様式例では、志望の動機・特技・アピールポイントなどを1つの欄に書く形です。欄の書き方は保育士の履歴書の記事で確かめられます。
保育士の志望動機で、書かないほうがよいこと
保育士の志望動機では、次の3つは書かないようにします。
- 前の職場の子どもや保護者が分かる話: 保育士には、業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない義務があります(児童福祉法第18条の22)。エピソードは、個人が分からない形にします。
- 見ていないこと・確かめていないこと: 表1で出典と確認日を書けない事実は、面接で確かめる項目に回します。
- 条件だけの理由: 給料や休み、通勤などの条件は、応募前に求人票や労働条件通知書で確かめるものです。志望動機にはそれだけを書かず、保育や仕事の内容に関わる理由と分けます。
辞めたい理由がきっかけの転職でも、前の職場の不満を志望動機の中心にしないほうが、応募先を選んだ理由が伝わります。今の職場の悩みの整理は、保育士を辞めたいときの相談先の記事でできます。
書類を第三者に見てほしい場合は、ハローワークの窓口や、転職エージェントの書類添削を使う方法もあります。転職エージェントの支援の内容は、保育士の転職エージェントの比較で確かめられます。
保育士の志望動機について、この記事では分からないこと
保育士の志望動機について、この記事で答えられないことを書いておきます。
- 採用されやすい書き方や、よい文字数: 根拠にできる資料がなく、判断していません。
- 応募先の園が、運営規程の概要や全体的な計画をどこで公開しているか: 園ごとに違うため、見学や問い合わせで確かめてください。
- 幼保連携型認定こども園・幼稚園の場合の決まり: この記事は保育所を中心に確かめています。
- 公表情報の内容が正しいか: 事業者が報告・掲示した内容で、当サイトは個別の園を確かめていません。
保育士の志望動機でよくある質問
保育士の志望動機には、何を書けばよいですか?
ハローワークの「応募書類の作り方」は、応募先を選んだ理由、自分の経験・能力のアピール、意欲の3点を盛り込むよう説明しています。応募先を選んだ理由は、園の保育の方針や特色など、確かめた事実から書くと具体的になります。
保育園の方針や特色は、どこで調べられますか?
ここdeサーチの施設の詳細情報、園の見やすい場所やウェブで示される運営規程の概要、園のパンフレットやホームページ、見学で見たことなどが材料になります。公開の範囲は園によって違うので、見つからない情報は見学や面接で聞いてください。
例文をそのまま使ってもよいですか?
この記事では、例文ではなく空欄つきの骨組みを示しています。例文をそのまま使うと、応募先を選んだ理由や自分の経験が具体的になりません。応募先で確かめた事実と、自分の経験を入れて書いてください。
給料や休みが理由の転職でも、志望動機に書いてよいですか?
ハローワークのパンフレットは、個人的で一方的な希望や事情だけを書いても、アピールにはなりにくいと注意しています。条件は、応募前に求人票や労働条件通知書で確かめるものとして分け、志望動機には応募先の保育や仕事の内容に関わる理由を書く方法があります。
ブランクがある場合、志望動機に何を書けばよいですか?
離れていた間にしたことや、復職に向けて受けた研修、応募先で活かせるこれまでの経験を材料にします。復職の準備や支援の確かめ方は、ブランクの記事で整理しています。
更新履歴
2026年9月27日:ハローワーク「応募書類の作り方」、保育所保育指針と解説、子ども・子育て支援法の教育・保育情報の公表と運営基準の掲示の規定を確認して新規作成。公表情報の材料表、経験と対にする表(CSV)、空欄つきの骨組みを掲載。 2026年9月29日:題名を「問いと答え」の形にし、冒頭の答えを短くした(前の答えと根拠は「根拠と補足」に移した)。 2026年9月30日:監査の指摘に対応(ハローワーク「応募書類の作り方」を令和8年5月版に更新。引用したページの内容が旧版と同じことを確認)。修正箇所の一次資料を照合。出典ごとの取得日は変えていない。
