「保育の仕事は、会社の職務経歴書の例と同じように書けるのか」「担任やフリーの経験を、どう書けばいいか」。このページは、ハローワークの一般的な作り方を土台に、保育士の経験を書く欄を足した記入シートを示します。書き方の例文は、実在の人や園が分からない形にしています。
保育士の職務経歴書は、何を土台に書く?
ハローワークの「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)は、職務経歴書について次のように案内しています。
- A4縦で1〜2枚程度にまとめる。様式は自由。
- 同じものを使い回さず、応募先ごとに書き分ける。
- 書き方に迷ったら、古い職歴から順に書く「編年体式」を選ぶ。
- 必ず書く項目(標題・日付・氏名・職務経歴)のほかは、全部で3〜6項目程度にする。
ハローワークの冊子と別冊のワークブックは、どの業種でも使える作り方で、保育の仕事の区分はありません。なお、冊子の表や例文は転載が禁止されているため、このページでは載せていません。ハローワークのサイトから入手できます。
履歴書の資格欄や本人希望欄の書き方は、保育士の履歴書の記事にまとめています。
保育士の職務経歴書の記入シート(勤務先ごとに1行)
1つの勤務先を1行にします。同じ園でも、担当や役職が変わった年は行を分けると書きやすくなります。
| 欄 | 書くこと | 言葉の出どころ |
|---|---|---|
| 期間 | ○年○月〜○年○月。在職中は「現在に至る」 | ハローワークの作り方 |
| 勤務先 | 法人名と施設名を正式な名称で | 同上 |
| 施設の種類 | 保育所、幼保連携型認定こども園、小規模保育事業、家庭的保育事業、事業所内保育事業、企業主導型保育事業、認可外保育施設、そのほかの児童福祉施設など | 児童福祉法第6条の3・第7条・第39条、子ども・子育て支援法第59条の2 |
| 規模と設置者 | 公立か私立か、利用定員(保育所は20人以上、小規模保育は6〜19人) | 児童福祉法第39条・第6条の3 |
| 雇用形態 | 正職員以外は(パート)などと書き添える | ハローワークの作り方 |
| 担当 | 年度ごとの○歳児クラス、子どもの数、一緒に担当した保育士の数、担任・複数担任・フリーの別 | 編集部の提案 |
| 役職 | 発令があれば名称(副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダーと担当分野など) | 処遇改善等加算の通知の役職名 |
| 計画と記録 | 全体的な計画、長期・短期の指導計画、3歳未満児の個別的な計画、記録・自己評価のどれを担当したか | 保育所保育指針 第1章3 |
| 保護者支援 | 園を利用している保護者への支援、地域の子育て支援 | 保育所保育指針 第4章 |
| 行事・安全 | 担当した行事、避難・消火訓練の担当 | 設備運営基準第6条 |
| 研修 | キャリアアップ研修の分野と修了年月、そのほかの研修 | キャリアアップ研修ガイドライン |
出典:ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)、児童福祉法、子ども・子育て支援法、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準、保育所保育指針、保育士等キャリアアップ研修ガイドライン、こども家庭庁「処遇改善等加算について」。取得日:2026年9月28日。欄の組み立ては編集部の提案です。
- 「担任」「フリー」は法令の言葉ではありません。園によって意味が違うので、何を担当したかを一緒に書くと伝わります。
- 子どもの成長を数値で書く必要はありません。数字にできるもの(担当した人数、担当した年数など)だけを数字にします。
- キャリアアップ研修の修了年月や分野は、キャリアアップ研修の記録シートから写すと正確です。
- 期間が思い出せない場合は、ねんきんネットで自分の年金の加入記録を確かめられます。
保育士の職務経歴書で、書くこと・書かなくてよいこと
| 区分 | 項目 | 根拠・注意 |
|---|---|---|
| 必ず書く | 標題、日付、氏名、職務経歴 | ハローワークの作り方 |
| よく書かれる | 資格、活かせる知識・技術、自己PR、志望動機 | 同上。3〜6項目程度に絞る |
| 書かなくてよい | 本籍、家族のこと、住宅の状況、宗教、支持政党、尊敬する人物、愛読書など | 厚生労働省の公正な採用選考で、適性・能力に関係のない事項とされるもの |
| 書かない | 子どもや保護者を特定できる情報、園の内部の情報 | 児童福祉法第18条の22(秘密保持) |
| 公的な案内なし | 保育士登録番号 | 書くかどうかを示した公的な案内は見つからなかった |
出典:ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)、厚生労働省「公正な採用選考の基本」、児童福祉法第18条の22。取得日:2026年9月28日。
公正な採用選考の事項は、応募者が書くことを禁じるものではなく、事業主が把握すべきでない事項として示されています。個別の応募先で不利益が生じないことを保証するものではありません。これらを求められた場合は、ハローワークなどに相談できます。詳しくは履歴書の記事の書かなくてよい欄にあります。
保育士の職務経歴書は、職歴の形で書き方を変える
ハローワークの作り方には、職歴の形ごとの書き方の例があります。保育士に当てはめると、次のようになります(当てはめは編集部の提案)。
- 保育の仕事だけを続けてきた:古い順に並べる編年体式で、施設の種類と担当の変化が分かるようにする。
- 転職の回数が多い:施設の種類や担当ごとにまとめ、これから長く勤めたい理由を書く。
- パート・派遣で働いてきた:勤務先ごとに雇用形態を書き、担当した業務を具体的に書く。
- ブランクがある:ブランクの期間の書き方について、ハローワークの冊子に記載例は見つかりませんでした。保育士証の状態の確かめ方は、保育士のブランクの記事にまとめています。
保育士の職務経歴書と、職歴証明書の違い
職務経歴書は、自分の経験を伝えるために自分で作る書類です。一方、処遇改善等加算の経験年数は、施設が出す職歴証明書のほか、雇用保険の加入履歴や年金の加入記録などで確かめるとされています(こども家庭庁の通知 第4の2)。通知は確認資料を例示しており、職務経歴書を一律に排除する規定ではありません。ただし、本人作成の職務経歴書だけで確認が完了するとは限らないため、認定側が求める職歴証明書や加入記録等を確かめてください。
施設の種類を法令上の名前で書いておくと、次の園が職歴証明書などと照らし合わせやすくなります。退職のときに受け取る書類は、保育士の転職の流れにまとめています。
書類の添削は、ハローワークの窓口でも相談できます。転職エージェントの書類の支援を比べたい場合は、転職エージェントの比較を見てください。
保育士の職務経歴書について、この記事では分からないこと
- 応募先ごとに、職務経歴書を求めるかどうか。
- 保育士登録番号を書くべきかどうか(公的な案内が見つかりませんでした)。
- ブランクの期間の書き方の公的な記載例。
- 自分が勤めた施設が、認可か届出(認可外)かを確かめる方法(勤め先に確かめてください)。
保育士の職務経歴書でよくある質問
保育士の転職で、職務経歴書は必ず必要ですか?
応募先によります。求人票や応募の案内で、職務経歴書を出すかどうかを確かめてください。求められていない場合でも、履歴書の職歴欄だけでは伝えきれない担当や役割を整理するのに役立ちます。
保育士の職務経歴書は、何枚くらいにまとめますか?
ハローワークの「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)は、A4縦1〜2枚程度にまとめることを勧めています。決まった様式はなく、応募先ごとに書き分けることが大切だとしています。
職務経歴書に、保育士登録番号は書きますか?
書くべきか・書かないべきかを示した公的な案内は、今回の調査では見つかりませんでした。資格の欄に「保育士」と登録年月を書き、登録番号は応募先から求められた場合に保育士証の写しなどで示す方法が考えられます。
職務経歴書で、処遇改善の経験年数を証明できますか?
本人が作る職務経歴書だけで確認が完了するとは限りません。こども家庭庁の通知では、施設の職歴証明書、雇用保険の加入履歴、年金の加入記録などが例示されています。認定側が求める確認資料を確かめてください。職務経歴書は、自分の経験を伝えるための書類です。
子どもや保護者のエピソードを、職務経歴書に書いてもいいですか?
子どもや保護者を特定できる情報は書かないでください。保育士には、業務で知った秘密を漏らさない義務があり、保育士でなくなった後も同じです(児童福祉法第18条の22)。取り組みは、特定の人が分からない書き方にします。
更新履歴
2026年9月28日:ハローワーク「職務経歴書の作り方」・別冊ワークブック・「応募書類の作り方」(いずれも令和8年5月)、厚生労働省の公正な採用選考、児童福祉法、子ども・子育て支援法、設備運営基準、保育所保育指針、キャリアアップ研修ガイドライン、処遇改善等加算の通知を確認して新規作成。保育士用の職務経歴書の記入シート(CSV)と、書くこと・書かなくてよいことの表を掲載。 2026年9月29日:題名を「問いと答え」の形にし、冒頭の答えを短くした(前の答えと根拠は「根拠と補足」に移した)。 2026年9月30日:監査の指摘に対応(指摘 CROSS-2・EDIT-03・EDIT-04 を修正)。修正箇所の一次資料を照合。出典ごとの取得日は変えていない。
