「資格は取ったが、保育園で働いたことがない」「資格はないが、保育の仕事をしてみたい」。どちらも「未経験」ですが、使える制度と相談先が違います。このページは、2つの立場を分けて書きます。
保育士の未経験の人が、最初にすることの分岐表
| あなたの状況 | 名乗れる名称・就ける職種 | 次にすること | 公的な窓口 |
|---|---|---|---|
| A-1 保育士証がある・保育の勤務経験がない | 保育士として働ける | 研修や見学の機会を探し、応募先の研修体制を確かめる | 保育士・保育所支援センター、ハローワーク |
| A-2 資格はあるが、まだ登録していない | 登録して保育士証が届くまでは、保育士として働けない | 都道府県の登録の手続きをする | 保育士登録の窓口(ブランクの記事) |
| A-3 資格はあるが、補助の仕事から始めたい | 保育補助者として働くこともできる | 資格を持つ保育補助者の区分がある園か確かめる | ハローワーク、支援センター |
| B-1 資格がない・経験がない | 保育士とは名乗れない。保育補助者などとして働ける | 就ける職種と必要な研修を確かめる | ハローワーク、自治体(子育て支援員研修) |
| B-2 資格がない・保育補助として働いている | 同上 | 保育士試験の受験資格になる勤務か確かめる。資格を取る支援があるか園に聞く | 保育士試験事務センター、自治体 |
| B-3 資格がない・養成施設に進みたい | — | 指定保育士養成施設を卒業すると資格が得られる | 養成施設、自治体(修学資金) |
出典:児童福祉法第18条の4・第18条の6・第18条の18・第18条の23・第18条の24、こども家庭庁「保育士・保育所支援センターQ&A」、同「令和8年度保育関係予算の概要・参考資料」。取得日:2026年9月28日。表の組み立ては編集部の提案です。
保育士の資格はあるが未経験の人へ
- 登録が先:保育士資格を持っていても、登録して保育士証の交付を受けるまでは、保育士として働くことも名乗ることもできません(児童福祉法第18条の18・第18条の23)。手続きの流れは保育士のブランクの記事にあります。
- 支援センター:こども家庭庁の案内では、保育士・保育所支援センターは、資格を持っているが保育の現場で働いたことがない人も利用でき、未経験の人向けの研修や見学会を行う場合があります。内容は自治体ごとに違います。
- 保育実践研修:キャリアアップ研修のうち保育実践研修は、実習経験の少ない人(保育士試験の合格者など)を対象にしています。就職する前の人が受けられるかは、都道府県の募集要項で確かめてください(キャリアアップ研修の記事)。
- 国の支援:国の予算資料は、保育所などに勤めていない資格を持つ人を「潜在保育士」とし、勤務経験のない人もこれに含めています。再就職のための研修や就職準備金の貸付は、この人たちも対象にしていることがあります。実施と条件は自治体ごとです(ブランクの記事の貸付の節)。
応募先を民間の紹介会社で探す場合の比べ方は、転職エージェントの比較にまとめています。
保育士の資格がなく未経験の人へ
- 名乗れない:資格がない人は、保育士と名乗ることはできません(児童福祉法第18条の23)。保育所で配置の基準に数えるのは原則として保育士です(設備運営基準第33条)。
- 就ける職種の例:保育補助者のほか、小規模保育事業のB型や小規模型の事業所内保育事業の保育従事者(市町村長が行う研修の修了者)、一時預かり事業の保育従事者(子育て支援員研修の修了者)などがあります。どの研修が必要かは事業ごとに違うので、自治体の案内で確かめてください。
- 資格を取る道:保育士試験に合格するか、指定保育士養成施設を卒業すると資格が得られます(児童福祉法第18条の6)。受験資格は、学歴・卒業した時期・児童福祉施設での勤務経験によって決まります。大学・短大・専門学校などの学歴がなく高校を卒業した人は、原則として児童福祉施設で児童の保護に従事した勤務が必要です。勤務は施設長が証明し、事務の仕事は含まれません。必要な期間と時間は、保育士試験事務センターの受験資格の案内で確かめてください。
- 資格を取る支援:保育所などで働きながら資格を取る人には、受講料や学習経費の一部を補助する国の事業があり、実施は都道府県などです。
- 相談先:ハローワークは、求職の申込みを原則としてすべて受け付けます(職業安定法第5条の7)。子育て支援員の研修や資格を取る支援は、自治体の窓口で確かめます。
資格のない人がどの窓口で仕事を探せるかは、保育士の求人の探し方も参考にしてください。
保育士の未経験の人が、応募先の園に確かめる9問
| 質問 | 根拠・理由 |
|---|---|
| 1 採用される職名は、保育士ですか、保育補助ですか | 名称と、配置の基準に数えるかが変わる(児童福祉法第18条の23、設備運営基準第33条) |
| 2 保育士証は、いつまでに提出しますか | 登録前は保育士として働けない |
| 3 初めて働く人向けの研修の計画はありますか | 保育所保育指針は、体系的な研修計画の作成を求めている(第5章) |
| 4 職場の中で、先輩から学ぶ機会はありますか | 指針は、職場内での研修の充実を求めている(第5章) |
| 5 園の外の研修に、勤務として参加できますか | 施設は研修の機会を確保する(設備運営基準第7条の2) |
| 6 就職準備金の貸付を使う場合、勤務時間などの条件を満たしますか | 貸付の条件は自治体ごとに違う |
| 7 子育て支援員研修など、必要な研修はありますか(資格がない場合) | 事業によって必要な研修が違う |
| 8 保育士試験の受験資格の勤務証明を出してもらえますか(資格がない場合) | 勤務証明は施設長が行う |
| 9 資格を取る支援の事業を使っていますか(資格がない場合) | 実施は自治体と園による |
質問の選び方は編集部の提案です。見学のときの質問は、保育士の転職の失敗例にもまとめています。
保育士の未経験について、この記事では分からないこと
- 未経験の人がどのくらい採用されているか(統計は見つかりませんでした)。
- 保育補助の時給の相場。
- 子育て支援員研修で、どの事業で働けるかの一覧(国の実施要綱の本体を確かめていません)。
- 就職する前の人が、保育実践研修を受けられるか(都道府県ごとの募集要項によります)。
- 保育士試験の合格率(公表されているのは申請者数と合格者数で、受験者数に対する割合ではありません)。
保育士の未経験でよくある質問
保育士資格があれば、登録しなくても保育士として働けますか?
働けません。保育士資格を持っていても、都道府県の登録を受けて保育士証が交付されるまでは、保育士として働くことも、保育士と名乗ることもできません(児童福祉法第18条の18・第18条の23)。こども家庭庁は、業務に就く前までに登録しておくよう案内しています。
資格はあるが保育の仕事をしたことがない人も、保育士・保育所支援センターを使えますか?
使えます。こども家庭庁の案内では、センターは資格を持っているが保育の現場で働いたことがない人も利用でき、未経験の人向けの研修や見学会を行う場合があるとされています。
保育士資格がなくても、保育園で働けますか?
保育補助者として働く道があります。ただし、保育士と名乗ることはできず、保育所で配置の基準に数えるのは原則として保育士です。小規模保育事業のB型など、決められた研修を修了した人が保育従事者として働ける事業もあります。
保育補助として働くと、保育士試験の受験資格になりますか?
必ずなるとは言えません。受験資格は、学歴・卒業した時期・児童福祉施設での勤務経験によって決まります。高校を卒業した人の場合、原則として児童福祉施設で児童の保護に従事した勤務が必要で、施設長が勤務を証明します。事務の仕事は含まれず、小規模保育事業などは別に知事の認定が必要です。必要な期間と時間は、保育士試験事務センターの受験資格の案内で確かめてください。
資格がない場合、どこに相談すればいいですか?
ハローワークは、求職の申込みを原則としてすべて受け付けます(職業安定法第5条の7)。子育て支援員の研修や、保育の仕事をしながら資格を取るための支援は、自治体が行っています。保育士試験の受験資格は、保育士試験事務センターの受験の手引きで確かめられます。
更新履歴
2026年9月29日:児童福祉法(第18条の4・第18条の6・第18条の18・第18条の23・第18条の24)、設備運営基準(第33条・附則第94〜97条)、保育所保育指針 第5章、保育士等キャリアアップ研修ガイドライン、こども家庭庁の保育士・保育所支援センターQ&A、令和8年度保育関係予算の資料、職業安定法第5条の7を確認して新規作成。資格の有無と実務経験で分けた分岐表と、園に確かめる9問を掲載。 2026年9月29日:題名を「問いと答え」の形にし、冒頭の答えを短くした(前の答えと根拠は「根拠と補足」に移した)。 2026年9月30日:監査の指摘に対応(公表日を確認できない資料に基づく数字 2件を外すか、公表日のある資料に付け替え)。修正箇所の一次資料を照合。出典ごとの取得日は変えていない。
