「保育士の仕事は、どこの園でも同じなのか」「前の園では当たり前だったことが、次の園でもあるのか」。このページでは、法令や国の指針で決まっていることと、園の方針で変わることを分けて書きます。1日の時刻表のような例は、園ごとに違うため載せていません。
保育士の仕事内容は、法令でどう決まっている?
児童福祉法第18条の4は、保育士を、専門的な知識と技術をもって「児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導」を行う人と定めています。保育所での保育の内容は、国の保育所保育指針に従うことになっています(設備運営基準第35条)。
保育所保育指針の解説は、保育士に求められる知識と技術として、発達の援助、生活の援助、環境の構成、遊びの展開、関係の構築、保護者への相談・助言の6つを挙げています。同じ解説は、園の理念や地域によって「その行う保育の在り様も様々に異なる」とも書いています。
保育所保育指針は、国の保育専門委員会で見直しが検討されています。2026年9月28日時点で、取りまとめは案の段階です。改定の時期はこの記事では確かめていません。
保育士の仕事内容を、決まっていることと園ごとに違うことに分ける表
| 仕事 | 法令・指針で決まっていること | 園によって違うこと | 見学・面接で聞く1問 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|---|
| 子どもの保育 | 保育の内容は保育所保育指針に従う(設備運営基準第35条) | 担当する年齢。異年齢の組・グループで活動する保育所は70.4% | 担当は何歳児で、異年齢で過ごす時間はあるか | — |
| 職員の配置 | 年齢ごとの最低基準(第33条第2項。下の表) | 加算や補助で基準より多く置く園もある | 担当クラスの子どもの人数と、保育士の人数 | 資格を活かせる仕事 |
| 指導計画・記録 | 指導計画の作成と評価(指針第1章3)。3歳未満は一人一人の個別的な計画 | 週案を作る保育所は89.4%、日案は43.9%。様式も違う | 日案はあるか。書く時間は勤務時間内か | 持ち帰り仕事 |
| 健康と安全 | 避難・消火の訓練は毎月1回以上(第6条第2項) | 看護師の配置、送迎バスの有無 | 看護師はいるか。バスの添乗はあるか | — |
| 保護者との連絡・支援 | 保護者と密接に連絡をとる(第36条)。子育て支援(指針第4章) | 連絡帳が紙かアプリか、面談の回数 | 連絡帳の形式と、苦情を受ける担当者 | 保護者対応 |
| 行事 | 指針は行事の種類や回数を定めていない | 行事の数・規模・準備の分担 | 年間行事表と、準備は勤務時間内か | 残業 |
| ピアノ | 指針は使う楽器を定めていない | 弾く場面と頻度、担当 | 誰が、どの場面で弾くか | ピアノ |
| 研修 | 施設は研修の機会を確保する(第7条の2第2項) | 園外研修が勤務扱いか、順番 | 園外研修は勤務扱いか | キャリアアップ研修 |
| 清掃・配膳などの周辺業務 | だれが担当するかは法令に定めがない | 保育補助者や用務の職員がいるか | 清掃や寝具の準備はだれがするか | — |
| 仕事の範囲 | 労働条件通知書で「従事すべき業務」と変更の範囲を示す(労働基準法施行規則第5条第1項第1号の3) | 担任・フリー・パートで範囲が違う | 通知書の業務の欄に、何が書かれるか | 転職の失敗例 |
出典:児童福祉法第18条の4、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(第6条・第7条の2・第33条・第35条・第36条)、保育所保育指針(第1章3・第4章)、労働基準法施行規則第5条(いずれも2026年9月28日に確認)。70.4%・89.4%・43.9%は、こども家庭庁「保育所・認定こども園に関する保育の内容等に関する実態調査報告書」(令和7年3月、保育所の有効回答13,983施設、複数回答)Q11・Q15。「見学・面接で聞く1問」は編集部の提案です。
実態調査の値は施設単位の回答で、保育士一人一人の作業量ではありません。回答した施設の割合(有効回答率62.6%)も参考値とされています。
保育士の仕事内容のうち、配置の基準はどう決まっている?
| 子どもの年齢 | 保育士1人につき(おおむね) | 経過措置 |
|---|---|---|
| 0歳 | 3人 | — |
| 1〜2歳 | 6人 | — |
| 3歳 | 15人 | 令和10年3月31日まで、配置の状況から保育に支障を及ぼすおそれがある場合は、改正前の基準による経過措置あり |
| 4歳以上 | 25人 | 当分の間、同じ条件で改正前の基準による経過措置あり |
出典:設備運営基準第33条第2項(令和8年4月1日施行版)、令和6年内閣府令第18号の附則第2項・第3項。
- これは配置の最低基準で、クラスの人数ではありません。
- 表の経過措置は、保育士等の配置状況から保育の提供に支障を及ぼすおそれがある場合に適用されるものです。園が条件なしに旧基準を選べるという意味ではありません。
- 1歳児の配置を基準より手厚くした場合に、国の加算の対象になる仕組みがあります。基準そのものではありません。
- 実際に何人で担当するかは、園によって違います。応募先には、担当クラスの子どもの人数と保育士の人数を聞いてください。
保育士の仕事内容で、時間がかかる業務・負担に感じる業務
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの全国調査(令和7年度子ども・子育て支援等推進調査研究事業、現役保育士等15,556人の回答)では、1日の業務時間のうち「遊びや活動の指導・援助」が19.1%で最も大きく、事務作業等の時間は平均24.1%、保育の対応は70.1%でした。
時間配分の設問と、以下の負担感の設問は母数が異なります。負担感は保育士票15,664人の回答です(図表3-72、冊子p99〜101)。
| 業務 | 負担を感じる割合(とても・やや) |
|---|---|
| 書類作成(年間・月間の指導計画、週案・日案、評価) | 50.8% |
| 書類作成(保育記録) | 49.4% |
| 保護者への連絡 | 37.9% |
| 保護者対応(相談・家庭訪問・保護者会・保育参観など)※非日常の業務 | 42.4% |
| 行事の準備・運営・後片付け ※非日常の業務 | 41.7% |
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「保育士等の意識及び業務負担軽減に関する調査研究 報告書」(2026年4月23日公表)p97〜98・図表3-69、まとめ。無作為の抽出ではなく、回答者には保育士以外の職員も含まれます。時間の割合は本人の申告です。
負担の大きい書類や行事は、園ごとの差が大きい業務でもあります。前の園でつらかった業務があれば、上の表の「聞く1問」を使って、応募先の決まり方を確かめてください。
保育士の仕事内容を、転職先で確かめる順番
- 求人票で、雇用形態・担当予定・勤務時間を確かめます。
- 見学で、上の表の「聞く1問」から、自分が気になる行を3つ選んで聞きます。
- 内定後、労働条件通知書の「従事すべき業務」の欄と、変更の範囲を確かめます。
聞きにくい項目は、転職エージェントの担当者を通じて確かめる方法もあります。聞きにくい質問の代理確認などを公式に案内しているサービスは、転職エージェントの比較の早見表で確かめられます。
保育士の仕事内容について、この記事では分からないこと
- 1日の時刻表。園の開所時間やシフトで変わるため、載せていません。
- 行事の数やピアノの頻度を、園ごとに数えた国の統計。今回の調査では見つかりませんでした。
- 保育所保育指針の改定がいつ行われ、何が変わるか。
- 認定こども園や、保育所以外の児童福祉施設での仕事内容。この記事は保育所を中心に書いています。
保育士の仕事内容でよくある質問
保育士の仕事内容は、法律でどう決まっていますか?
児童福祉法第18条の4は、保育士を、専門的な知識と技術をもって、児童の保育と、児童の保護者に対する保育に関する指導を行う人と定めています。保育所で行う保育の内容は、国の保育所保育指針に従うことになっています。
保育士1人で何人の子どもを見ることになっていますか?
設備運営基準第33条第2項では、0歳はおおむね3人に1人以上、1〜2歳はおおむね6人に1人以上、3歳はおおむね15人に1人以上、4歳以上はおおむね25人に1人以上です。ただし、保育士等の配置状況から保育の提供に支障を及ぼすおそれがある場合には、3歳は令和10年3月31日まで、4歳以上は当分の間、改正前の基準による経過措置があります。これはクラスの人数ではなく、配置の最低基準です。
日案(毎日の指導計画)は、どの園でも書くのですか?
国の実態調査(令和7年3月の報告書、保育所13,983施設の回答)では、短期の指導計画を週ごとに作る保育所は89.4%、日ごとに作る保育所は43.9%でした(複数回答)。日案があるかどうかは園によって違うので、見学や面接で確かめてください。
行事の数や、ピアノを弾くことは決まっていますか?
保育所保育指針は、行事の種類や回数、使う楽器を定めていません。行事の数や準備の分担、ピアノを弾く場面は園によって違います。年間行事表や担当の決め方を、応募前に確かめてください。
保育士の仕事の中で、負担に感じる人が多いのは何ですか?
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの全国調査(負担感の設問は保育士票15,664人の回答)では、負担を感じる割合(とても・やや)が高かったのは、指導計画の書類作成50.8%、保育記録の作成49.4%でした。非日常の業務では、保護者対応42.4%、行事41.7%でした。
更新履歴
2026年9月28日:児童福祉法第18条の4、保育所保育指針・解説、設備運営基準(令和8年4月1日施行版と令和6年府令附則)、こども家庭庁の実態調査報告書(令和7年3月)、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの全国調査を確認して新規作成。仕事ごとに「決まっていること」「園によって違うこと」「見学・面接で聞く1問」を並べた表を掲載。 2026年9月29日:題名を「問いと答え」の形にし、冒頭の答えを短くした(前の答えと根拠は「根拠と補足」に移した)。 2026年9月30日:監査の指摘に対応(指摘 LAW-13・ADD-1 を修正。公表日を確認できない資料に基づく数字 1件を外すか、公表日のある資料に付け替え)。修正箇所の一次資料を照合。出典ごとの取得日は変えていない。
